『関係人口』を提唱する一人、ソーシャル&エコ・マガジン、月刊『ソトコト』編集長、指出一正さんに『関係人口・関係案内所』について伺いました。
関係人口とは、『観光以上、移住未満』の人たちを指します。そのまちのことが好きになり、年に何度か、あるいは頻繁に訪れて地元の仲間とイベントやマルシェを開いたり、ローカルプロジェクトを立ち上げたり、お年寄りとのコミュニケーションをとったりする、地域に関わるまち想いの人たちです。関係案内所は従来の観光案内所とは異なり、人と人との関係を案内し、つながりや縁を恒常的に生み出す空間や場所のことを言います。業態にはとらわれず、カフェや書店、ラーメン屋、コワーキングスペース、ゲストハウスなど、かたちはさまざまです。
『もっと伊丹はおもしろくなれる』。そんな熱い思いを胸に人と人をつなげ、迎え入れてくれる店主・荒木宏之さんらが運営するカフェ。食や音楽を通してまちをめぐるイベント『伊丹まちなかバル』や、毎月一度日曜日に行われる『イタミ朝マルシェ』などの会場にもなっている、『三軒寺前広場』の目の前にある。まさに『道が交わり、人々が交わるところに』という店名の由来の通り、さまざまな人が集まり交流する“拠点”だ。また、店内は月替りのギャラリースペースにもなっており、県内外・ジャンル問わず、全国の作家を紹介している。
宝塚市の中でも最南端、仁川駅すぐにあるブックカフェ、『book café DOOR』(2018年移転)。「地方のためのデザインをしていきたい」という思いのもと、デザイン事務所『SASI DESIGN』が運営している。店内にはデザインにまつわる本を中心に、オーナー・近藤清人さんやスタッフが選書した本や雑貨が並び、同空間に中小企業のブランディングデザインを手がける事務所があるため、コーヒーを飲みながらデザインにどっぷりと浸ることができる空間となっている。今後は月に1度、さまざまな業種・年齢の方々と交流ができるイベントを開催予定。
川西市黒川地区の自然や風景、そして能勢電鉄妙見口駅から徒歩圏内という場所に惹かれ移住した店主・堀部美香さんによって2018年オープンした、スパイスカレーと自家焙煎珈琲のお店。店名『ヨナナ』は、国道477号線沿いにあることから。南インドに仕事で滞在した時の経験から、南インドカレーをベースにアレンジを加えたというカレーの具材には、できるだけ自家菜園の野菜や、地元の食材を探し使用している。今後は飲食だけでなく、黒川の自然や人について、そしていずれはインド文化も絡めた『まちの情報発信基地』を目指している。
『freeely Seasonal Foods Restaurant』は、『地元食材の豊富さ、おいしさを発信していきたい』というオーナーの藤本和希さんらの思いよって2018年3月に三田市三輪に誕生したカフェレストランだ。旬の食材を積極的に取り入れ、なるべく手は加えずに食材本来の味を引き出す調理法、身体の不調等の予防につながる献立づくりなど、安心・安全な食の提供を心がけている。また、広々とした座席空間に、カウンター席を多く設けるなど、一人で来店した方にも初めてこのまちに来た方も、ゆったりと居心地のよい空間だ。
都市近郊にありながら大野山(おおやさん)や猪名川の源流など、豊かな自然が身近に感じられる猪名川町。自然のよさに魅せられ移住してきた車ひろしさんは、『若者が都会へ行き高齢化が進む中、地元に田舎暮らしのよさを感じる人が集う場を』と、1998年に『カフェ山の駅』をオープンした。里山を走り回るトレイルランやマウンテンバイク試乗体験のほか、春には山菜採り、秋には店の前の田んぼで収穫した新米の販売や無添加の味噌づくり体験など、移り変わる季節を感じ、田舎暮らしの楽しさを知ることができるメニューやイベントを提供している。
宝
宝塚市花屋敷荘園の森にて、春と秋に開催されるローカルマーケット。心地よい空間に地域に根ざしたブースが並ぶ。
https://www.facebook.com/events/%E5%AE%9D%E5%A1%9A%E5%B8%82%E8%8A%B1%E5%B1%8B%E6%95%B7%E8%8D%98%E5%9C%92/s%C5%8D-en-local-market/1128471380607909/
猪
猪名川町大島の住民が「地域の元気を守りたい」という想いで運営する交流場所。鹿肉カレーが人気。毎月第2水曜日に開設。
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