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魅力的な空き家に出合い、理想の暮らしを実現。

i2能勢電鉄日生中央駅から徒歩10分。区画や道路が整理された美しい町並みが広がる川西市のニュータウンに、甲斐義人さん一家が暮らす自宅がある。約100坪の敷地内に立つ4LDKの2階建ては築10年ほど。吹き抜けの中庭など、趣向を凝らした造りが目を引く。1~2年ほど空き家になっていたこの家に一家が移住したのは2017年のこと。

家探しをしていた当初は新築戸建てが希望だったという。だが、『大阪市内の職場に電車通勤しやすい能勢電の沿線で、70坪ほどの庭付き』という希望条件では、予算に見合う物件になかなか出会えなかった。そんなときに不動産情報サイトで見つけたのが、現在の家だった。『見学に行ってみたら、土地も家も広くて、スーパーや駅にも近い。値段も想定より安かったので、すぐに決めました』。”築浅”の家は状態がよく、リフォームはガラスの一部を替えたり、車庫に電動シャッターを取り付けたりした程度ですんだ。『床暖房もついていてラッキーでした。もともとの持ち主がこだわって建てた家のようで、ここを新築で建てようと思ったら予算が足りないくらい』と義人さん。床などには多少の傷が残っているが、『子どもも傷をつけるだろうし、まあいいかなって。新築と違って神経質にならないのもいいですね』と笑う。『将来はレンガを組み立てて庭でバーベキューをしたり、室内に暖炉や薪ストーブを置いてみたいですね』と、これからの家づくりの夢が膨らむ。

近隣には自然豊かな大小の公園が点在し、『道が広くて遊歩道もあるので、子育てにちょうどいいエリア』と妻の加奈子さん。娘の有紗ちゃんがもう少し大きくなったら、公園で一緒にピクニックをするのが楽しみだそう。大阪市内へ通勤する義人さんにとっては、日生中央駅から阪急梅田駅まで約45分で行ける直通特急『日生エクスプレス』が走っていることも、この家に決めた理由の一つだった。空き家を選んだことで、理想に近い暮らしを手に入れることができた甲斐さん一家。家族みんなで『ひょうご北摂』での新たな暮らしを楽しんでいる。

空き家についての疑問を解決! 空き家
Q1そもそも空き家って何?

『空き家』は、人が住んでいない家のこと。人の出入りの有無や、電気、ガス、水道の使用状況、物件の登記や住民票の内容、利用実績などで判断される。

老朽化した家というイメージのある空き家だが、上記で紹介した甲斐さんの自宅のように状態がよく、リフォームの負担が小さい建物も少なくない。ただし、空き家の支援制度を受けるには、人が住んでいない期間や築年数など、制度ごとに個別の要件があるので注意が必要だ。

Q2どんな物件があるの?

レトロな暮らしを楽しみたい人に人気なのが古民家。土間やかまどのある建物などがあり、築100年を超えるような歴史ある建物はゲストハウスや工房、カフェなどとして再活用されることもある。

農のある暮らしを楽しみたい人には、田畑や家庭菜園付きの住宅がおすすめ。一方、美しいまち並みのニュータウンでは洗練された雰囲気の戸建てが売りに出されていることもあり、リーズナブルな価格で機能的な家を手に入れられるのが魅力。

Q3見つけ方は? 相談窓口は?

市町によっては、活用可能な空き家を登録して、利用希望者と所有者をマッチングする『空き家バンク』を開設している。空き家を探すなら、ここを検索してみよう。また、田舎暮らしを始めたい人なら、古民家専門の不動産情報サイトを見てみるのもいい。

住みたいエリアが決まっているなら、まちの不動産店に相談を。空き家で新たな事業や市民活動を始めたい人は、商工会などが主催する起業セミナーなどに参加することで、地元の人づてに物件情報が得られることもある。

Q4改修時の予算はどれくらい?

改修費用は築年数や広さ、使用用途などによってさまざま。住居用に〝築浅〟で傷みの少ない物件を選べば、入居時は鍵替えや壁紙などの内装リフォーム程度で済むこともある。

一方で、平屋建て古民家をゲストハウスにリノベーションした事例では、改修費用の総額は600万円ほどに。築年数が経ち、空き家だった期間が長い物件ほど修繕費はかかる。だが、リノベーションや家づくりを楽しみたい人には、修繕が必要でも味わいのある古民家の人気は高い。

Q5見学時のチェックポイントは?

屋根材や雨どい、外壁や基礎、窓の開閉など、目視できる範囲は付き添いの業者と一緒に細かく確認しよう。セルフチェックができない床下などの箇所は、プロに診断してもらうと安心。兵庫県には『ひょうごあんしん既存住宅表示制度』があるので、ぜひ参考に。

また、家選びの際は建物だけでなく、交通機関や店舗など周辺の環境も確認しておきたい。自治会への加入やゴミ出しの方法など地域のルールもチェックして、自分の理想にぴったりな家を見つけたい。

Q6空き家の支援制度は?

空き家を住居として利用する際には、県の『空き家活用支援事業』が利用できる。空き家をリフォームする際に併せて耐震改修が必要な場合は『ひょうご住まいの耐震化促進事業』、バリアフリー化する場合は『人生いきいき住宅助成事業』などの補助制度も活用できる。

改修工事の一部を助成する『空き家活用リフォーム助成』(川西市)、転入した若年新婚世帯を対象にした『新婚世帯家賃補助事業』(三田市)など、市町ごとの助成もあるので、活用したい。

Q7住居以外の活用法は?

地域のコミュニティスペースや農家レストラン、ゲストハウス、小規模な事業所など、空き家には住む以外にも多彩な活用方法がある。県も『空き家活用支援事業』などを実施し、空き家での起業を積極的に支援している。

また空き家だけでなく、後継者不足の遊休農地などを活用して農園や農業体験民宿などを始める際に改修費用などの一部を助成する『田舎暮らし農園施設整備支援事業』などもあり、農村地域での起業や地域活動にもチャレンジしやすい。

Q8ずばり、メリット、デメリットは?

空き家のメリットは、やはり費用を抑えられること。中古住宅は手入れが必要だが、低価格で購入した分、お金をかけて自分好みにリノベーションすることができる。まちの活性化にもつながるため、行政のさまざまな補助金を利用できるのもメリットだ。

デメリットは買う前のチェックを怠ると、住んでから欠陥がわかること。地区協定がある場合もあり、トラブルを防ぐには、地域に詳しくて信頼できる不動産店や建築士に確認することが大切だ。

住まい探しに“お試し居住”を活用。

兵庫県内への住み替えを検討している人は、ぜひ三田市内の“お試し居住”を活用してみてください。1日500円で2泊から利用可能。駅やスーパーに近く、地域を見て回るのに大変便利です。空き家や子育て施設などの見学もお手伝いします。詳しくは「ココシルひょうご北摂ライフ」のホームページをチェック。
https://home.hyogohokusetsulife.kokosil.net/ja/

『ひょうご北摂 空き家活用&移住ガイドブック』を配布中!
空き家の活用制度に関する詳細な情報が得られる一冊。
『いなか暮らし』『まちなか暮らし』『ニュータウン暮らし』の3つの移住事例を写真付きで分かりやすく紹介。
移住の計画から生活までのステップごとにポイントを解説し、憧れの暮らしを実現するために準備することや注意すべき点をまとめている。
県や市町の支援制度の内容や問い合わせ先、空き家に関する専門家のインタビューなど、役に立つ情報が満載! 
希望者は、『兵庫県宝塚土木事務所』まちづくり建築課 0797-83-3192まで。
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